2011年8月5日、昨年度は庄内地方を中心に3回実施したサイエンスカフェですが、今年度の第1回目は最上川流域の山形市に会場を移し、市内の村山総合支庁の会議室をお借りして開催されました。
海ごみサイエンスカフェは愛媛大学沿岸環境科学研究センター、九州大学大学院工学研究院、一般社団法人JEAN、パートナーシップオフィスなどが協力し、海洋ごみ問題の最先端の研究内容を広く一般に伝えようと取り組んでいるプロジェクトです。
これまでのサイエンスカフェでは、山形県飛島で回収された漂着物の成分分析を行い、重金属(鉛やクロム、カドミウムなど。人体への影響から日本や欧州では工業製品への使用が厳しく制限されている)の有無とその量を報告してきました。その中で、一部の漂着物(特に青色の漁業用フロート。中国語が書かれている)に鉛やスズなどが含まれているとの調査結果が出ていました。
今回のサイエンスカフェでは、含まれている重金属の溶出試験(雨や海水にさらされて溶けだすか)の結果が愛媛大学沿岸環境科学研究センターの磯辺篤彦氏より発表されました。
蒸留水を用いた溶出試験において、蒸留水への重金属類の溶出が確認されたそうです。ただし、生態系や人体への影響はまだまだ研究中で、今後は、生態系・生物への影響に加え、溶けだした重金属類が海岸の土壌にどのように蓄積・拡散していくのかを調べていくとのことでした。
そのほかにも、海流や風による漂着物の移動・拡散の物理シュミレーションや北太平洋のミッドウェー環礁を汚している日本流出・漂着したごみの話など、様々な話題が展開され、40名弱の参加者は熱心に耳を傾けていました。
詳しくは海ゴミプロジェクトのホームページをご覧ください。